2015/1/26
人質を見殺しにする安倍政権
今回の人質事件をとおして、もっとも重要なファクトは、安倍政権が「人命尊重」をうわべでは唱えながら、意図的に人質を見殺しにしていることです。このことは、次の3つのファクトによって裏付けられます。
1つは、人質の1人、後藤さんは既に昨年の10月から人質になっており、11月にはご家族に20億円の身代金要求が来ていたことです。そして、政府はそのことを知っていました。http://goo.gl/dPc95v
にもかかわらず、安部首相は、今月、ISIS(イスラム国)と対立するアラブ諸国をめぐり、それらのIS対立諸国に対する200億円の経済支援を約束しています。http://goo.gl/1PFGTI 安部首相は、この経済支援を人質事件勃発後「人道支援」と弁明していますが、次の会見文を見れば、これがISを刺激する内容であることは明らかです。支援の目的は、「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるため」と明言しており、また、「人材開発、インフラ整備」について人道支援との限定はなされていません。このことは、英文で読むとさらに明らかです。
イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。 We are also going to support Turkey and Lebanon. All that, we shall do to help curb the threat ISIL poses. I will pledge assistance of a total of about 200 million U.S. dollars for those countries contending with ISIL, to help build their human capacities, infrastructure, and so on.
2点目は、200億円の身代金要求後のイスラエルでの安部首相の記者会見の状況です。http://goo.gl/0a9nrm 記者会見場では、日本の国旗とイスラエルの国旗とが掲げられていました。ISが敵対する諸国(=親イスラエル国)に対する援助に対する非難がISの主張なのに、人質を取られている立場の国の首相が、イスラエル国旗の前で記者会見を行ったのです。これでは、最初から、解放を望む意思は無いとISに取られても致し方無いです。
3点目は、イスラム法学者の中田考氏・ジャーナリストの常岡浩介氏のISとのコネクションづくりを政府は拒絶していることです。 http://goo.gl/pvrUO5 交渉には、あらゆるルート構築の可能性を模索する必要があるにもかかわらず、です。両氏は、外国記者クラブで会見を開いています。http://goo.gl/pvrUO5 両氏は、昨年、ISの司令官と湯川氏の釈放をめぐって会っており、パイプになりうる可能性が高いです。今後の交渉の材料として、中田氏は、2億ドルを身代金としてではなく、シリアで空爆などに苦しんでいる人に対する食料・毛布などの拠出に当てることの提案を挙げています。
私は、中田氏の提案は非常にリーズナブルと考えます。残念ながら、湯川氏が既に殺害された可能性が高い現状でも、「人質交換」という新たな要求の代替案として、人道物質の拠出に交渉条件を変える事は可能と考えます。 しかしながら、政府は、そうした交渉の可能性を閉ざしてしまっています。
以上、政府は、全く人質救出の意思がありません。
これから少なくとも後藤さんが助かる方策としては、今からでも、中田氏・常岡氏に動いてもらうよう働きかけることが、可能性の枠を少しでも広げる上で、必要です。
また、今後のことで言えば、安倍政権のこの度の対応を徹底的に追及していくことが必要です。