2012/3/18

匠の技の盗み方

匠の技を盗むには、その人の仕事の現場に付きっ切りでいて、見て覚えていくのが一番です。それは、昔も今も変わりません。

しかし、インターネット時代に入り、必ずしも「弟子入り」しなくても、かなりそれに近い効果が得られる方法が生じて来ています。今回のブログでは、私が最近触れた、3つの方法について、書きます。匠の技の継承の方法を構築する事は、人類の知的資産の継承へと繋がっていくので、有益な議論と考えます。

【①公開されたビジネスエキスパートの技を盗む】

成功したビジネスパースンの中には、みずからのパフォーマンス向上の秘策を惜しげもなく披露する人がいます。

歴史をさかのぼれば、古代の欧州・中国・日本等になりますが、私が社会人なり立ての頃から未だにそのメソッドを活用しているのは、野口悠紀雄「「超」整理法」です。野口氏は、恐らく、自らのノウハウの公開によって逆に色々な知見を集め、更に生産性を向上させていくタイプの人です。

最近の例では、勝間和代さんも、そのタイプです。

ただ、私が更に面白いと感じたのは、Business Break Throughでの試みです。ボストンコンサルティンググループの内田和成さんが、みずからのビジネステクニックをシリーズもので余すところなく披露しています。 内田和成のビジネスマインド

やはり、書籍よりも、動画になっている方が、伝えたい内容が生き生きと伝わってきます。また、番組各回の最後に、内田さんが生産性を高めるために使い込んでいるガジェット(PC,ノート、鉛筆、等々)の紹介もあります。これも、動画ならでは、楽しめる演出です。

動画によるノウハウの公開は、今後、益々増えていくのではないかと思います。

【②ネット上での論理思考道場】

2つ目に、今、私が深い学びを得ているのが、ネット上で論理思考を鍛えていくという取り組みです。具体的には、グロービス講師の渡辺パコさんが主宰しているclubpacoです。

会員制のクローズドなコミュニティにおいて、Facebookを活用し、社会問題等について、ビジネスパースンがイシュー抽出・メッセージ論述等を行っています。

こうしたイシュー・メッセージ操作について、この分野で卓越したスキルを持つ渡辺パコさんがファシリテートします。そうすると、渡辺パコさんが、どのようにして物事を考えていくのか、そのプロセスが洗いざらい、見えて来ます。

一般に、出来上がってしまった論述そのものは、そのイシュー設定・ロジックの凄さは実感できても、それを自分自身で再現しようと思っても至難の業です。というのも、そのプロセスを知ることが出来ないからです。そこは、想像力を働かせて試行錯誤せざるを得ませんでした。

ところが、clubpacoでは、そこが見えて来ますので、渡辺パコさんと自分や他のメンバーは、プロセスにおいてどこが違うのかが分かってきます。これは、とても深い学びに結び付いて来るのを実感しています。

ちなみに、今年の私の目標は「イシュー設定力を付ける事」なのですが、「おとなの社会科」のほか、このclubpacoも強力な助っ人になりそうです^^

【③Youtubeでのスキル公開】

3つ目は、Youtubeでスキルを公開している例です。

以前から、ギターテク等は見かけましたが、最近、仕事上でとても役立ったのが、プログラミングプロセスを具体的に行っていたケースです。

会社でVBAを開発するにあたって、周囲に相談できる人はほとんどいません。SEの組織ではないので。そんな中、お世話になっているサイトがいくつかあります。mougOffice TANAKA等です。そんな中、検索するとよく引っ掛かって来て、お世話になっているのが、三流君です。

三流君には、ネットの文字ベースでもお世話になってはいるのですが、この度、Youtubeでプログラミングのプロセスそのものを公開しているものを発見しました。Youtubeでの三流君

テーマが、また、書籍やネット上でも非常にレアな情報しかない、Microsoft Outlook のVBAです。リファレンスが豊富ではないので、この場合、「いかに情報を得ていくのか?」というプロセスそのものが非常に重要になります。この点、このYoutubeでの三流君では、要求定義を元に、ヘルプ等を見ながらコードを作り込んでいく様子が、独り言を織り込みながら開示されていきます。単に知識だけではない、現場のSEの仕事の様子を肩越しに覗きこんでいるような状態です。

これは、私にとって、かなり画期的でした。新たなナレッジ共有化の地平を開くのではないかとの期待を抱きました。