2009/3/18
国際派の前提条件
「国際派」と言えば、「語学が出来ないと・・・」という感覚が少し前までありました。しかし、最近、その考えが大きく変わりました。もちろん語学もあるに越したことはありませんが、それよりも「伝えられる中身」を持っていることが非常に大切であることに気付かされる場面がいくつかありました。今回は、そんないくつかの場面を紹介します。
■英会話でも、「会話の中身」が大事!
昨年の暮れ位から、社内のフランス人の方の主催で週1回、都合がつく限り「Eigo Lunch」というものに参加しています。会話に特にルールはないのですが、「すべて英語」というのがお約束事です。
残念ながら、普段英語で会話する習慣することがないものですから、最初は英語が中々出て来ませんでした。しかし、矢張り「慣れ」です。ネイティブのような微妙なニュアンスまで含めた言い回しはとても出来ませんが、「伝えたいんだ!」という気持ちさえ持っていれば、片言英語で何とか通じてしまいます。そして、特に英文学者にでもなるのではなくて、コミュニケーション・ツールとしての英語の活用を目指すのであれば、そのレベルの英語力で十分です。
そうやって何度かランチに通って慣れて来た前回、ある質問をされて、少し言葉に詰まってしまいました。 「今週は何か新しいことはありましたか?(What’s new this week ?)」 ・・・「え・・・っと」
普段、会社の同僚との食事であれば仕事の話題になりますし、家では家庭生活や子供の話題で会話がつながります。しかし、社内でも別の部署で仕事での共通の話題がないとなると、普段から視野を広げておかないと話題が見当たらないのです。
でも、これって「英語だから」という訳ではありません。そもそも、「日本語でも」すぐには話題を思いつかなかったのです。
英語を使って色々な人とコミュニケーションを取ろうとする場合、そもそも、日本語で語れる内容であるにしても、「話題」を持っておかないと対応できないことに改めて気付かされた一コマでした。
■翻訳には、日本語の文章の構造が大事!
最近、社内でたまたま他の社員が日本語で書いた論文の短文を英語に翻訳する機会がありました。
普段、英語で文章を書く機会がないので、辞書と首ったけで何とか直訳はつくりました。しかし、他の英語の論文と比較すると、どうも文章がゴツゴツしていて、いかにも「直訳」なのです。
元の日本語の文章は専門分野であったため、私の能力が及ぶ範囲ではありませんでした。しかし、論理構造そのものについては「英訳のしやすさ」の観点から意見を出して、元の日本語を練り直していただきました。その上で更に英訳をし直してみたら、ネイティブレベルには程遠いものの、かなり読みやすい文章になりました。
英作文をするにも、まずは日本語の段階での文章構造が大切であることを実感しました。もちろん文章構造の前提となる専門知識がなければ何も生み出せないのですが、専門知識の英文への橋渡し役として、文章構造がモノを言います。
そして、英語は論理的な構造を持っているので、日本語を英訳してみると、日本語の論理構造の怪しさが引き出されることも分かりました。
■海外での仕事には、英語力の前に仕事力!
最近、社内の海外駐在経験者何人かと外地での仕事に必要な能力についてお話をうかがう機会がありました。
彼等の共通した見解は、日本で使える仕事力がない人は海外でも仕事上使えない、というものでした。言われてみれば当然なのですが、言われるまでは、何となく英語力を偏重しすぎていました。英語は、達者であるに越したことはないが、海外で使える仕事力があってそれを発揮したいという意欲があれば、ビジネスに必要な専門英単語はそれほど多くなく、短時間の学習でカバーできるということでした。
たしかに、海外で、現地の方の暮らしぶりに接して「郷に入れば郷に従う」といった適応性があることは海外駐在のプラスに働きます。しかし、まずは、「仕事力」がなければ、使いようがないとのことです。
言われてみれば当たり前なのですが、中々実感できなかったポイントでした。