2008/12/2
内定取り消しの通告を受けたら
11月に入ってから、内定通知取り消しの新聞記事がポツポツ出始めました。そして、11月28日の厚生労働省発表によれば、ハローワークが把握している来春入社予定新卒者の内定取り消しが331名に及びました。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/11/dl/h1128-2d.pdf
ただ、内定取り消しは職業安定法施行規則上、学校長またはハローワークに通知するとされているものの、すべてハローワークに通知されているかどうかは不透明です。ですから、実際には、内定を取り消しの通告を受けた者の数はもっと多いことが予想されます。
これに対して、舛添厚生労働大臣は、「内定取り消しは違法行為なので、学生諸君には、きちんと対応するので泣き寝入りするなといいたい。」と話しています。 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081128/biz0811282140020-n2.htm 厚生労働省も、相談窓口を設けています。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/11/h1128-2.html
ただ、企業側からは示談金を持ち出してくる事例もあるようです。 http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081111/trd0811110033000-n2.htm
こうした状況の下、実際問題として、内定取り消しを通告を受けた学生はどのように対応したら良いのか考えてみました。学生の方はもちろん、周囲に悩んでいる人がいらっしゃる方もぜひ参考にしていただきたいと思います。
■まずは、間を置く
企業から内定取り消しを持ちかけられたら、すぐに「OK」と返事をしてしまわないで、考慮する時間をもらいましょう。というのは、法令および裁判例上は、業績悪化を理由とする内定取り消しは無効とされる可能性が高いためです(大日本印刷事件(最高裁昭和54年7月20日第二小法廷判決)、インフォミックス事件(東京地決平成9年10月31日))。
■次に、冷静に「どうしたいか」考えをまとめる
「内定取り消しの通告を受けた」という事態そのものは冷静に受け止めて、家に帰って、そのことを前提に自分はどうしたいのか?を考えてみましょう。選択肢は2つです。
①内定取り消しを無効とすべく動いてみる
今一度、志望動機を振り返ってみましょう。やはり自分が本当にやりたいことが存在していると思う会社であれば、内定取り消しをやめさせるべく動く余地はあります。法的には、倒産寸前に追い込まれている位の状況でなければ、内定取り消しは難しいと考えられます。企業に対して「出るところに出ますよ」という態度を示せば、内定取り消しを取り下げてくる可能性はあります。
②就職活動を再開する
そもそも少し位の業績悪化で内定取り消しを出して来るようでは、社員を大切にしない企業と考えられます。これからの長い職業人生の中でも、比較的容易に希望退職募集等を行ってくる可能性もあります。また、倒産に追い込まれそうな程度の業績悪化であれば、将来が危ぶまれる会社と言えます。したがって、そのような会社は自分の方から見切ってしまい、就職活動再開に踏み切るのも1つの考え方です。
■その上で、しかるべき専門家に相談する
自分なりの考えがまとまったら、①②のいずれの考えかにかかわらず、まずは、学校の就職課に行き、来春の就職の可能性を探ってみましょう。就職の可能性の程度により、①で行くか、②で行くか、現実に合わせて修正する必要が出てくるかも知れないからです。
もし、就職課に行っても①で行こうという決心が揺るがないのだとすれば、まずは厚労省の相談窓口に問い合わせるのが良いと思います。 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/11/h1128-2.html(再掲)
ただ、行政から企業への働きかけには限界があります。もし、相談窓口の見解に納得がいかないのであれば、弁護士にセカンド・オピニオンを求める方法があります。少しの業績悪化で内定取り消しを持ち出してきた企業の場合であれば、弁護士を通して「出る所に出ますよ」と言えば、取り消しの主張を取り下げてくる可能性があると思います。