2008/2/23

使い勝手よりも開発:上海の今

1年振りに上海に行き、びっくりしました。 東京で言うと副都心・新宿西口に当たる浦東地区・高層ビル地区の道が全く変わっていたのです。

ホテルから88階建てのジンマオタワーまでの道が、工事で通れなくなっていて、行き方が全く分からなくなっていました。ようやくジンマオタワーに辿り付き、上位階から下を見下ろすと、数ヘクタールが工事予定地として、更地になっていました。1年前は、レストランが林立していた場所が、跡形も無く消え去っていました。

この風景を見て、次の3点で、人々の使い勝手よりも開発を優先する上海開発の考え方が垣間見えました。

1.開発のためにはレストラン・住宅等、迅速に立ち退かせる

  この開発は、88階建てのジンマオタワーを超える高さのビルを建設するためのものとのことです。   そのために、1カ月ほど前、レストラン・住宅は一斉に立ち退かされたとのことです。   補償などがどうなされたかは分かりませんが、迅速な立ち退きでした。

2.レストラン立ち退きの当面の代替措置は準備されない

  ジンマオタワーで働くビジネスパーソンに取って、近所のレストランは、重要な昼食場所でした。   今は、10分ほど歩かないと、ランチができません。

3.歩行者のための工事中の迂回路の表示が無い

  以前は直線で歩けた300メートルの距離を1キロほど遠回りしないと辿り着けなくなりました。   その迂回路を示す表示が無いので、初めて来た人はどうやって行けば良いか分かりません。

開発優先の考え方は、高度成長期の先進国が何れも、いつか通ってきた道です。

イギリスでも日本でも、たとえば、公害を無視して開発を優先した時期がありました。

中国とイギリス・日本との違いは、政治体制が一党独裁であること、開発速度が急速で貧富の差の拡大スピードも急である事です。

先進国が何れも通ってきた、開発と人々の幸福との矛盾の葛藤が、いつ、どのレベルで起こるのかを注意深く見守っていく必要があると思いました。