2008/2/16
非正規社員優遇措置に対する厚労省の助成
3月からは、パートタイマーの処遇改善を眼目とする改正パートタイム労働法が施行されますので、それと歩みを合わせた動きだと思います。
パートタイマーの著しい処遇改善が進めば、企業は人材派遣により一層人を求めるかと推測していましたが、派遣もまた、処遇を改善する潮流のようです。
「格差是正」の風潮の下、非正規社員に対して同情が集まる状況の中、社会保険料収入増大・生活保護支給抑制を目論む厚労省が、世の中の流れに乗った、というのが私の穿った見方です。
企業からすれば、今後、雇用の弾力性を確保しようとすると、採用抑制くらいしか、手段が残されていないかも知れません。
今後、訴訟等で、どの程度、パート・契約社員の保護が実際に図られるのか、経緯を慎重に見守っていく必要がありそうです。
ちなみに、同じく3月から、労働契約法が施行されます。 法律の中身は労働基準法・判例と実質的に変わらないのですが、労働者の私法上の権利を明確にしたものです。 個別労使紛争がこれまで以上に増加する可能性があります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー パートや契約・派遣社員、正社員化、企業を後押し――厚労省、中小に助成。 2008/02/15, 日本経済新聞 朝刊, 1ページ, 有, 1096文字 2ページ、94830バイト
厚生労働省は企業がパートや契約社員、派遣社員など非正社員を正社員にする動きを後押しする。中小企業の正社員化推進を助成する制度を四月に新設。非正社員の待遇改善に向けた指針策定や、日雇い派遣の規制強化を含む労働者派遣法の改正も検討する。非正社員は働く人の三人に一人まで増えており、正社員との待遇の差が問題になっている。派遣労働の対象拡大など規制緩和を進めてきた同省は、安定雇用の重視にかじを切る。(日雇い派遣は3面「きょうのことば」参照)=関連記事5面に日雇い規制強化 四月に従業員が原則三百人以下の中小企業を対象にした「中小企業雇用安定化奨励金(仮称)」を始める。正社員化する制度を就業規則に盛り込み、実際に正社員化すれば三十五万円を企業に支給する。さらに正社員になった人が三人以上出れば、十人を限度に一人につき十万円を支払う。二〇〇八年度当初予算案に五億円を盛り込んだ。 大企業の一部では非正社員を正社員にする動きが出始めたが、中小企業はパートや派遣社員への依存度が高い。助成金制度で中小企業のコスト負担を和らげる。 十四日に設立した非正社員の待遇改善研究会では、正社員との賃金格差などで企業が配慮すべき指針をまとめる方針。指針には雇用保険への加入や教育訓練機会の提供、正社員への登用制度などを盛り込み、理由のない正社員との待遇差を防ぐ見通し。 非正社員の中でも問題が多発している日雇い派遣など労働者派遣法の改正に向けた研究会も十四日に発足した。日雇い派遣を禁止するかどうかを含め規制のあり方を検討する。日雇い派遣ができる業務の範囲を限定したり、待遇改善なども議論するとみられる。 夏をメドに労働者派遣法の改正に向けた報告書をまとめる方針。製造業への派遣を解禁するなど規制緩和の象徴的存在だった派遣労働だが、グッドウィルが日雇い派遣で違法を繰り返し事業停止処分を受けるなど問題が多発しているためだ。 総務省の調べでは非正社員は二〇〇七年に千七百三十一万人で五年前と比べ約二割増えた。働く人に占める非正社員は現在約三三%。十年前より約一〇ポイント上昇した。 ただ非正社員に関する規制の強化や正社員化を進めれば、企業が採用そのものに慎重になり、雇用に副作用が出る可能性もある。非正社員を正社員にすれば、企業にとって柔軟な雇用調整が難しくなるとの指摘もある。 厚労省は賃金水準が高い正社員が増えれば社会保障制度が安定するほか将来、生活保護の受け手となる人を減らせる可能性があるとみている。正社員の六割程度の賃金水準にとどまる非正社員が正社員になり購買力が高まれば、個人消費が伸びると期待している。